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事例検討会報告 記・宮本ゆみこ のびのびキッズ代表report

2019年5月事例検討会報告(2019年度)

「幼児期に効果的な関わり」

今回の事例対象者が、4歳3ヶ月の幼児です。
男子で、まだ未診断。
生まれた時から、育てにくさを感じて、どうやって関わったら良いか、きっと発達障がいがあるとどこかで確信があり、毎回、保健婦さんに相談するも、「稀にこういう子もいます。様子を見ましょう。」と言われ続け、適切な医療機関にはかかる機会が得られずにいます。

●認知状態
KABC2実施。
情報の処理に大きな偏りは見られませんが、短期記憶が一番この子の中で低いので、指示や説明などの聴覚処理は苦手。
どちらかというと、同時処理や視覚支援が効果的。

習得度尺度は、140とか150。
伊丹先生によると、ギフテッド。
確かに、4歳と思えない課題への集中度は高く、非常によく考えて解いています。
姿勢の保持もよく、人への関心も強い。
好奇心旺盛で、キラキラした瞳で刺激を常に求めているような雰囲気。
認知状態が普通の上あたりで、習得度が非常に高いこの子は、学ぶ力が非常に強いということ。
ギフテッドの場合は、年齢にかかわらず、興味関心のある事をどんどん学ばせていけば、どんな成長を見せるか楽しみです。

検査場面の様子からは、何が問題なのだと思いがちです。

ところが、検査が終わり、検査室を出ると態度は一変。

あちこち走り回り、お母さんの制止は聞かず、会場のものに触りまくり、探索が激しい様子。

それでも、大人が子どもの多動や衝動的な行動への過敏な反応を抑えて、必要な指示を繰り返すと、一応は気にする様子も見られ、指示に従う様子がありました。

さて、検討会では、一応、検査結果からわかることの説明を終えて、背景情報やお母さんの悩みをまとめて、

*分離不安や発達段階の事

お母さんへの依存が強くいつも一緒にいたがり、検査でも分離はできませんでした。検査中はお母さんの存在を気にかける事なく、登園には分離できます。それは、自分がいない間に園で楽しい事があるのではないかと気になるからだそうです。

*園と家庭での様子の違い

検査場面で見せていた非常にお利口さんは、園でも同じで幼稚園の先生には問題があるとは思えないそうです。他に他害がある子への対応に保母さんたちは振り回されて、この子の対応には特に困っていないということです。
しかし、新年度で担当の先生が変わり、疲れた様子や荒れが目立つようになってきたそうです。

*危ない行動の抑止

好奇心旺盛で、自分が気になる事にまっしぐら。危険な行動が多いので、力ずくでやっと抑えているとのこと。

*睡眠状態が異常。

今でも、一晩に10回くらい起きるそうです。それも、大きな声をあげたり、足をバタバタさせて起きるそうですが、覚醒しているかわからないそうです。弟もまだ2歳になったばかりで、この子もじっくり寝ないので、お母さんはクタクタです。また一歳を過ぎた頃から癇癪が激しく、お母さんへの暴力?も激しいようです。思い通りにならないとお母さんを叩いたり、噛み付く子は幼児期によく聞きます。

*刺激の受け止め方

テレビの音が周りの音に邪魔されてよく聞こえないと言って、テレビ画面に耳を寄せるそうです。他にも聴覚過敏が疑われる様子があります。

以上の項目を提示し、各グループトークをしてもらいました。

ここからはまとめです。

●睡眠障害の疑いが強いので、医療機関に急ぎ繋がる。
●発達は順調。イヤイヤ期に入っているので、この時期の思いに肯定的に付き合う。ギフテッドであり、学ぶ力が強いので、誤学習もする。応用行動療法であるペアレントトレーニングが効果を出しているので、引き続き、正の強化や負の強化で好ましい行動を増やして行く。
パニックや癇癪を起こしてお母さんを叩いた後、クールダウン後には謝るようにもなっている。成長がわかる。

●危険な行動は毅然と止める。
子どもが親を叩いて抵抗する時などは、「叩いたら痛いでしょ!」などとは言わず、「言葉で言いなさい」と促す。

●刺激に反応しやすい特性が強い。この子は生まれた時から多くの刺激を受け止めてきている。苦手な刺激に慣れささせるのではなく、除去する。
聴覚過敏などはノイズキャンセリング、マスク、サングラスなどを使って和らげる。

●4歳児で分離不安が強い子は多いが、この子の場合は、分離させる。
親が子の抵抗に引きづられない。状況によりカウントダウンも効果あり。
見通しを示す。
園では視覚的なスケジュール提示をしてもらう、家でのお母さんのスケジュールを提示。
その際、楽しそうなスケジュール内容にしないこと。

●2歳の弟への攻撃には、兄が園に行っている間にスペシャルタイム。
好きだよ、可愛い、と言い続ける。
特性が強い兄弟を持つ他の兄弟は、親の注目を得ることが極端に少ない事が多いため、愛着に課題を持つ事例が多いので、手を打っておく。

また、兄弟でもめる事の一つにおもちゃなどの貸し借りがある。
おそらくおもちゃを貸したらいつ返って来るのか分からず不安で貸さない事もありそう。
よって、30秒ごとに、貸して、返してと言い合い、おもちゃを貸し借りするゲームをしてみるのも良い。

●イライラにはコーピンググッズなどの代替品を用意

聴覚、視覚共に過敏があるので、ホット出来る活動や場所があるとよい。

●車が来ると、「危ない!lといって、道路の真ん中に飛び出す。

危ないと感じたら道路に飛び出すのは幼児ならよくある。
当たり前とも言える。
背景に、「危ない!」と強く言われた事のインパクトが強かったからもある。
車が来たら、どうすべきかを冷静な声で具体的行動を伝えること。
事前に練習することも効果あり。

このくらいにしておきます。

今回はお母さんが、すごくきちんとペアレントトレーニングを実施してくださり、癇癪がずいぶん減って、弟のトイレトレーニングが出来たことを心から喜んだり、クールダウン後はお母さんに謝ることもできるなど成長が見られるとお聞きして、とても励みになりました。

また、伊丹先生が最後にお母さんに受容共感の労いの言葉かけで、お母さんもこれまでの孤軍奮闘を思い涙。

また、伊丹先生、お母さんを泣かしたわあ、にくいねえ。。。。

わたしゃ、ようせん。

今回も会場いっぱいで、多くの学びをいただきました。
皆様、ありがとうございました!

大阪ADHDを考える会 
のびのびキッズ