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活動報告:記・宮本ゆみこ のびのびキッズ代表report

2018年度9月事例検討会報告 



今回の事例は、両コメンテーターの先生とも、ASDはなく、愛着障害による症状だと断言されました。

ドクターからは、ASDと愛着障害の鑑別の違いについて簡潔に説明していただきました。

伊丹先生からは、事例のお子さんの得意な認知を使った指導や親御さんへの暖かい具体的な励ましをいただけました。

ずっと対応に悩んで来られた親御さんは、ビックな先生からのコメントに肩の荷が随分おりたとおっしゃっていました。

まず、
●ASDと愛着障害の違い

事例のお子さんの生育歴、特に乳幼児から幼児期に自閉症状は見当たらない。
「人懐っこい」子は自閉の子にもいる。
しかし、人見知りがない自閉っ子は、親への愛着は見せない。
特に、2歳以内にDVをされたり、目の前でDVを日常的に見ていた場合、一番ダメージを受けやすい。更に措置によって親から隔離された期間が長いと愛着障害になりやすい。
どうしても、親から離す必要があるときは、信頼できる愛情をもった人に預けるのが良いが、

(以前の事例でも、病気で1年も乳幼児期に入院していた子の行動障害の背景に愛着障害があると言われていました。なお、DSM-5では、5歳以内にDVがある場合、愛着形成の阻害が起こりやすいとあります。)

更に、愛着障害の子には、物を与えても、褒めるなどの報酬は効果が現れにくい。
投薬と愛情を注ぐしかない。
(詳しい投薬についての情報も説明を受けました。)
時間をかけて根気よく。
分離不安を抱えて母親にまとわりつくなら、
スキンシップはした方が良い。
他の女性にはしないように指導は必要。

伊丹先生からは、
●愛着障害には、共感、完全受容によって信頼関係を取り戻す。
信頼関係が落ち着いてから、服薬を説得。
(現在、服薬を拒否)

感情の言語化が必要。
状況に応じた感情を代弁する。感情の公式。
「●●だから、イライラしたんだね」
親は、子どもの感情爆発と荒れが怖くてビクビクせず、少しづつ主導権を取っていく。
例えば、抱きついてきてすぐ抱くと子どもに主導権を取られることになる。
ちょっとまたして抱けば、親が主導権を取ることになる。

この子は、同時処理が非常に強い。
言葉ではなく、非言語化で褒める。

役割を与える。
誰かの為に自分が役に立っていると思える環境を整える。小さなことからで良い。

生得的なものではなく、生育的な問題。

最後に、シングルで生活を支えている母は、仕事をセイブできない悩みを相談。

「母親が働くことも子への大きな愛情、信頼できる複数の大人を探すことが大事。」と、伊丹先生

今回もご参加いただき、一緒にい考えてくださった皆さま、本当にありがとうございました。

事例の子は、あの長いKABC2の検査を意欲的に取り組んでくれました。検査はじめは挑発的な言動で検査者を探っていましたが、警戒が解ければ可愛い3年生です。
大丈夫🙆‍♀️ まずは棘のような挑発言動に乗らないことかな。
支援者は、我慢と根気。

大坂なおみ選手が勝てたのは、スキルはさることながら、「我慢」だったらしい。
素晴らしい!

因みに、愛着形成のタイプには4つ

安定型
回避型
葛藤型
無秩序型

があるそうです。
今回の事例の子は、葛藤型に近いのかなあと思いました。



2018年度7月事例検討会報告 



発達水準が平均より低いASDの小2男子の学習支援についての検討会でした。

背景情報によれば、幼児期は予定外の事や、はじめての経験、人などへの臨機応変な対応が苦手で、癇癪やパニックが激しく、事前に対応できる事はあっても、全く原因がわからない癇癪や泣き出す事も多っかたということですが、環境整備がよかったのか、小学校ではかなり落ち着いて過ごせているようです。

家庭でのサポートもあり、これまでなんとかクラスの授業内容についていけたそうですが、学習内容が進むに連れ、充分な結果を出せない事が重なり、

「僕、100点はもう取れないかもしれない。だって、すぐ忘れてしまう子どもだから」とか、
「僕は普通じゃないの?」
という発言も漏らすようになった事が親御さんの動揺や不安を掻き立てます。

検討会では、本人の自尊感情を低下させない視点や対応、お母様の葛藤の捉え方などについてグループ毎で話し合いました。

検査結果からわかる認知の特徴は、端的に言うと、部分と部分をつなぐ事が苦手。
だから、支援の視点は「つなぐ」でした。
また、従来は、課題をする子、指示に従う子が良いとされた子ども像でしたが、これからは、主体的な行動ができる子が望まれる。

そのためには、

⭕️
選択肢の中から選ばせ、自己選択、自己決定権を尊重する事。選択肢については親はいっぱい口出しして良いこと。

⭕️肯定的な自己認知を深める事は、診断名を伝えることではない。
自分の長所と苦手を知り、苦手なことにはどのように対応したら良いか知ること、それを教えること。
⭕️支援者は、注目、認める、共感、褒める事が大事。

ずっと注目してあげて、自分で決めた事は認めて、マイナスな事を言った時は、揺らがず、「そう、そう思ったんだ」と傾聴し、気持ちに共感、「じゃあ、こうしたら上手くいくかもよ」と、提案してゆく。

⭕️
結果ではなく、努力や取り組む姿勢を褒める!

と、この子への対応のエッセンスをご指導いただきました。

今回も支援者として基本的なスタンスを簡潔に、深くコメントしてくださいました。

とっても、とても、大事な言葉を改めて心に刻んでおかないといけないと思いました。
重複になりますが、今回の伊丹先生語録をいくつかご紹介しておきます。

「結果を笑顔で褒めるのではなく、
努力を笑顔で褒める」
「生まれながらのやりにくさがあるのは症状、その為に生きていくのが大変な時に障害。つまり環境によって障害となる。」

これについては国際生活機能分類ICFに、障害とは何かという定義がしっかり示されています。
「共感とはこちらが揺るがない事」

学習課題の内容については、「発達水準が平均より低い場合は、大きな遅れはないが、だからといって、自立に役立つ直結した内容に絞れば良いというわけではない。
今、やっている内容が次につながるか、将来役に立つか、この問題をやらせてどうなるということではなく、それをやらせた結果、子どもの反応はどうかという事がポイントだ。」

深い! まあ、年齢にもよるのでしょうが。
でも、基本ですね。子どもがその課題をどのように受け止めたかですね。だから、選択肢をいっぱい与えて、主体的に学習に向かう気持ちを育てる事なんですね。それ忘れがち!
結果ではなく、子どもがどう向き合っていったか、でした!そうだそうだ、そういう事例いっぱいあった!ここが他の専門家と違う伊丹先生の揺るがない支援スタンスだった!

更に、いつもながら保護者の迷いや葛藤を決して責めず、肯定しながら、認めながら、
とどめをさして、気づきを入れる!プロフェッショナル、仕事の流儀に心から推薦したい!

お母様へのとどめの一言は、「子どもの自尊感情を高めるには、
親が自尊感情が高くないと!充分、お母さんは頑張ってこられた、今だって凄く頑張っておられる。自信を持ってこれからも、注目、認める、共感、褒めるを続けてください!」

伊丹先生の言霊はぜひライブでご堪能ください!
今回は、安原ドクターのぶっちぎり発想展開が聞けず、寂しかったですが、次回はぜひ来て欲しいです

2018年度5月事例検討会報告 



今回の事例の子は高校2年生女子。

思考力、記憶力、知識量が高いのに、作業的な処理速度が低いと読み書きに影響を与えがちな事例が多いです。

今回は、書字障害の上に、本人の思いやこだわり的思考が強く、他者からのアドバイスをすんなりと受け付けられにくい傾向があるので、色々と課題提出の代案提案をしても、本人が納得しないことには支援が難しいケースです。

ドクターの表現をお借りすると、「自分で考え、自分で決める」タイプです。

また思春期特有の目立ちたくない、自分で言うのは構わないが、先生たちには周りの生徒にわからないように必要な聞き取りや確認をしてほしい、と、恥じらい深い年頃への配慮が必要です。

さらに、聴覚や視覚で諸々の過敏さがあり、過集中していたり、気持ちが元気な時はエネルギー全開で頑張れますが、長続きしません。
頑張った分はドン!と疲れが襲います。

高校の友達は好き、苦手な教科はあるけど、好きな芸術活動ができる今の高校は好きだけどエネルギーの調整ができず、順調な登校や課題提出ができない、このままでは、進級が危ぶまれる、出席日数、課題提出の負にが軽い代替案はないものか、という検討会で、たくさん集まってくださった方々のお知恵を借りた検討会となりました。

会場から出された代替案は、伊丹先生がまとめてくださりました。
以下です。
なお、現在、高校では実に細やかな支援や配慮をしてくださっています。

*課題提出やノートテイクに、今以上にICTを使う。登校しなくても授業を受けられるようにビデオ、インターネット回線でのリアル視聴やスタデイサプリを使う。
*得意な事で代替。
*「〜しなさい」ではなく、提案型で。
*ノートはいらない
*苦手な体育は、服を着替えて、別の場所で運動。

何より困っている子に特化するのではなく、全体に配慮がある事を伝えていくユニバーサル支援視点が大事。
また、配慮というのは、努力の結果と取れるようにすることが基本。ただし、本人ができる努力をさせること。
とってつけたような配慮は、特別扱いになる。

以上を念頭に、ドクターの診断書を添えて、全教職員の理解を深め、保護者と学校の先生たちとの合意形成をしっかりして取り組む事が肝要!と、締めくくってくださいました。

また、ドクターからも、自己認知を鍛えるためにもカウンセリングの必要を強く促されました。

以上です。

■2018年度3月の事例検討会報告

中学進学を控えた6年生男子

今回のケースでは、学習障害だけではなく、愛着障害からきていると思われる行動の荒れや情緒的な不安定さが大きな課題です。

中学からの支援級在籍は抵抗感が強いのと、検査結果からも、実態把握の結果からも、環境からも中学で学習の遅れを改善することは期待できません。

だとしても、中学でできる支援を我慢強くお願いしていくことが必須な事例でした。とてもとても難しい事例です。

結論から言うと、伊丹先生から次のようなコメントをいただきました。

基本的にGAI〉CPI の傾向が強く、中でも
ワーキングメモリーの強みからは、機械的な記憶や記銘は強いけれども、ちょっと複雑な指示や説明はわかりにくい特徴があるので、刺さる言葉が効果的。

さらに、愛着障害からくる影響を考えると、非言語メッセージ(焼きつく絵)で褒めるのが良いというのが印象的でした。

まとめておきます。

①キーパーソンを決める。
若い同性のボランティア学生などが適任。友達感覚でよい。
1対1の関係から信頼関係を築く。

②感情の言語化

肯定的な内容で感情の公式を使う。

③主導権をとる。

難しいことではない。例えば、トイレに行きたそうにしていたら、「トイレに行きなさいlと言う。

④役割付与支援

次回は、5月10日です。


伊丹昌一先生の相談会 

今日は、伊丹昌一先生の相談会でした。

参加人数は多くはないのですが、かえって気楽で、親身な雰囲気で進めることができました。

兄弟仲が悪い

どこまで支援して良いの?

夢を具体的に応援するのはどうしたら良い?

暴言や暴力への対応は?

高校に頼む具体的支援てどんなこと?

ネガティブ思考への対応は?

などなど、発達障がいあるあるネタですが、伊丹先生のはっと、グッドなアドバイスで、目から鱗の皆さんでした。

伊丹先生、長時間ありがとうございました。


2018年度1月事例検討会報告 

テーマは、男子の性的成長?に関するトラブルの捉え方と対応の基本です。

好きな女子の持ち物への関心や執着の強さが招く不適切な行動がエスカレートしており、必要な自立訓練もままならないという主訴でした。

学校としては、指導を繰り返しており、本人も不適切な行動だと理解はしているものの、止めることができない、という事でした。

こうした多くの場合で言えることは、「●●をしてはいけない」というダメ出しが指導の中心になり、「○○なら、しても良い」とか、「○○しなさい」と言った肯定的な指導がなおざりになりがちな事かもしれません。

もちろん、事例の学校の先生達は、そういう事も含んで指導を繰り返してこられたと思うのですが、上手くパズルのピースがはまらない焦りを抱えておられるようでした。

しかしながら、事例の子の学校から若い7人もの先生が来ていただき、会場からの厳しい意見にも謙虚で熱心に参加して耳を傾けてくださっています。

本当に有難い思いでいっぱいで、長年続けてきた事例検討会の重みを感じています。

さて、事例に即して考えると、

異性に関心を持ってきたことは喜ばしいことですから、受け止める側は、その関心を適切な行動をモデリングしてロールプレイする事を実践するべきという意見がでました。

検査結果からは、長期記憶と検索がもっとも強いので、口頭で言うだけではなく、モデリングしてロールプレイすると、知識として定着して運用しやすいからだそうです。

具体的にいうと、

①性的な興味には、犯罪にならないチラ見を教える、というものでした。

どんなチラ見って?

それは、ここではお伝えしないでおきます。参加された方だけが知っている事にしておきます。

また、どこまでが許されるチラ見か、学校と家庭で共通認識しておく事も忘れたくない事です。

②不適切な行動には、両立しない分化強化を使う。

応用行動分析の一つのスキルで、不適切な行動ができないような環境を作って、褒めて成功体験を積む事です。これは、口頭での修正だけではできません。

例えば、教室移動中に女子に触ったり、壁や物を叩いて迷惑な音を立てるような時、そのような不適切な事に手が使えないように、仕事や役割を与えます。教科や活動に必要なツールを持たせて運ばせるということです。

役割を遂げることができたら、みんなの前で褒める。

それをきっかけに、その仕事を自主的にかってでるようなら、しめたものです。

③他の楽しみを作ってゆく。

背景情報を読むと、学習能力は高く、支援学校で学ぶ内容は退屈で、しかも同年齢の男子との関わりも充分ではありません。

他に楽しみがないから、性的興味に執着してゆくことも考えられるというご指摘も受けました。

そこで、
学校だけの仲間作りにこだわらず、好きな電車の仲間と関われるような集いに参加するなどして、外に仲間を求めるのも、性的興味を緩めていく事に繋がるはず。

もちろん、学校行事の中で、男子同士の関わりをコーディネートする事も可能。男の若い男性教諭も何人かおられるようなので、一緒に遊んだり、つるむ事も大事では。

ここで、伊丹先生から、大事なコメントをいただきました。

「楽しみというのは、例えば、けん玉の達人と一緒にやっても面白くない。
下手だけど、実に楽しそうにけん玉している人と一緒にすると、楽しいとおもうものだ。」

本当に、その通りですね。

次のようなこともよくいわれますよね。

「成績優秀な人が必ずしも上手い指導ができるわけではない。落ちこぼれで勉強してきた人の方が教え方が上手い事がある」

④背景情報から、前頭葉の機能不全からと思われる衝動性も大きいと思われるので、抑制力を高める投薬の必要を安原Dr.からアドバイスいただきました。昨年は、コンサータとストラテラに加えて、インチュヌブというお薬もふえ、その思わぬ効果も臨床で確認されてきているようです。この辺りの情報が聞けるのは、Dr.がいてくださるので、本当に有難いです。

また、安原Dr.からは、性の不適切な行動を理解してくれる医師は基本男性じゃないと理解しにくいと思う、男性でも真面目一方の医師は避けた方がよいとのご発言あり、ご推薦していただいたDr.のお名前も記憶させていただきました。さもありなん。

⑤興味のあるものを強化子にすると、事例の子の場合は、それに執着してものすごい量になる。例えば、気になる女子の持ち物に触るのはダメだけど、同じものを買ってあるのなら、写メで撮ってそれをカタログ化して冊子にしてみるのはok!
また、同じものを買うのも個数は制限しておいた方が無難。特性から際限がなくなるので注意、とDr.からもアドバイスいただきました。

⑥告知の課題について。

思春期までには、自己認知をやっておいた方がよい。
診断名を告げるのではなく、自分とは何者かをを知る事だ。

どんな得意があって、どんな課題を持っていて、それをどのように乗り越えたらよいのか、具体的に伝えることが大事。

Dr.からも、たまに診断名を告げることはあるが、課題に肯定的に向き合う具体的な方法は必ず伝えるということでした。

今回は、フェイスブックへの投稿記事の反応数が極端に少なかったのですが、いつも通りたくさんご参加くださり、ありがとうございます♪

非常に活発な議論が飛び交い、いつものように逆発想豊かな安原Drや、ウィットに飛ぶ伊丹先生の返しが溢れて、和やかで楽しい検討会ができました。



大阪ADHDを考える会 
のびのびキッズ

〒572-0085
大阪府寝屋川市
香里新町22-3-106