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2021年度定例会まとめ:宮本ゆみこ のびのびキッズ代表report

●2月27日 小川修史先生の「135度斜めから発達障害支援を考える」

「思考をずらすのが僕流」と。
確かに、合理的配慮などを講座ではしっかりずらして考えさせていただきました。
135度って、180度とどう違うのかなあと、朧げに思っていましたが、
なるほどガッテン!
確かに135度だ。感覚的だけど。整体で例えれば、背骨矯正をしてもらった感じでしょうか。心配は、また日常の凝り固まった習慣的な姿勢でまた歪んでしまうんじゃないかという自分に対する不信感。
知識があっても、それを支援に活かすには、子どものモチベーションやニーズに合っているかいないか。
支援者の仕事とは、できないことの強化ではなく、どこにその子のモチベーションが上がるネタがあるか探す事、スキル伝授じゃない、ですねえ!

 以前、キレやすい感情のコントロールが弱い子のソーシャルスキルトレーニングを任された通級担当のS先生は、1週間その子と一緒にひたすら校内で過ごします。
その子の背景情報なども一応仕入れて、S先生は中学生のその子に電車で一人旅ができるプログラムを立てて、なんと6ヶ月そのプログラムだけに取り組みます。
結果、多くの人の協力を得て、無事一人旅の成功!で、校内の廊下を軽やかに走る彼がいて
ちょっとやそっとではキレないようになっていたそうです。
小川先生のお話を聞いていて、昔聞いたS先生の実践エピソードを思い出していました。

 ちなみに、耳タコの「合理的配慮」って
Reasonable Accommodation
Accommodationとは、収容する,宿泊する、という意味だそうです。
だから、「来た人を受け入れる」という意味。
教育を受ける権利を守るために、一緒に活動する、受容するというのが,本来の意味だそうです。

 講座では、しばしばグループデスカッションの機会を作ってくださり、一緒に考え、参加者どうしで交流も深めることができました。

●1月13日 伊丹先生相談会報告

 伊丹昌一先生の相談会の報告です。
 会員限定の集まりですが、25名以上の方にお集まりいただき盛況でした。
年代もお立場も悩みも様々ですが、質問者全ての方に伊丹先生からアドバイスいただきました。
2時間半、たっぷりお付き合いいただきました。

 今日も伊丹先生の目から鱗の名言が幾つも飛び出し、
物事や子ども達の言動をガラリと見方を変えていただき、随分、気持ちが楽になられた方も多かったと思います。
つくづく思います。発達凸凹人の子育てには、情報+スキル+柔軟な思考+仲間が必須
でも、一番、大事なのは、親自身が人生を楽しんで過ごせているかかも。
扱いにくい子どもたちかもしれないけど、こんな子もいるよ、まあ、いいんじゃないの。
くらいに軽く受け止められると良いですね。

 では、名言の一部をご紹介
★意欲は能力に勝る
★幸せとは、瞬間,瞬間を楽しめること
★自閉は特に、共感から入ってアドバイス
★子どもに趣味を持たすには、まずは親や支援者が楽しそうに取り組んでいる姿を見せて、一緒に活動
★提出物ができなければ、親がやる、親ができなければ、アルバイトを雇っても代わりにやれば良い
★兄弟トラブルは親が介入して、両方の思いに共感してアドバイス、親は自分の気持ちをわかってくれたという実感を育む
★子どもの能力を超える高望みを否定したり、ダメ出ししない。意欲をほめて応援を伝える
★自己理解を深めて、自己選択、自己決定を促す。そして、支援は一生、しかし子どもは必ず成長する
★以前と違う姿を見せていても、それが成長の印と思える事も多い

 以上、記憶にあることだけですが、言霊として心に残しておきたいと思います。

●10月17日 伊丹昌一先生の講座
        「発達障がいがある子の思春期との関わりのコツ」

 参加された会員のアンケートより

◇伊丹先生の講演会 いつも分かりやすく、新たに子供との向き合う姿勢を見直すことができました。講演会や勉強会は自分自身のモチベーションを継続するのに大切な機会です。
子供の見守りを細やかに まあいいか と子供自身の目標を探りながら 会話できたらと思います。いつも穏やかに たおやかに自分も高めていけたらと思います。

◇支援学級で子供達と関わっている者です。特性を正しく知ること、困らないようにするというのが支援の役割ということ 改めて大切にしたいと思います。
否定的な言い方を「~しよう」という肯定的な言い方に変えられるよう 考えていきたいと思います。

◇久しぶりに伊丹先生にお会いできて元気(パワー)を頂きました。ありがとうございました。

◇すごく久しぶりの対面での伊丹先生のあったかいお話に 普段の学校生活の中で当たり前になっている「べき」思考がリセットできました。
通級指導の中で何ができるか 今一度考える機会になりました。明日から子供達に会うのがまた楽しみになりました。(小学校通級担当)
最近ゲームやYouTubeへの依存が課題です。その世界が拠り所になっていることもあると思いますが、時間を減らすのに皆さんご苦労されています。
今日のお話で ゲームを夜中2時から翌日の1時というお話がありましたが、その後、また減らすタイミング等教えて頂きたかったです。

◇障害概念の変更 (子供達の笑顔の為に 自分(保護者)を笑顔にすること)

◇思春期の特徴について簡潔に分かりやすく教えて頂いてよかったです。
ご質問に対するお答えも事例として学びになりました。

◇親は叱る権利がある。毅然とした態度が大切 ブレない。
子供自身に特性を理解させると たくさんのメッセージを頂きました。

◇「意欲は能力を超える」
これをモットーに親子でまた前を向いて頑張れそうです!!それと何よりやっぱり対面はいいなあ~と思います。

●7月18日 ―成人ASD当事者の就労体験―

 定例会、「すぷりんとさんの場合」を会員限定の対面で行いました。
 
講師のすぷりんとさんがASDと診断されたのは、有名な企業の研究員として就職して間もない頃です。
コミュニケーションが苦手だという特性にぴったりだと思うのですが、
意外とコミュニケーションスキルが多く求められる職場で混乱。そのことがきっかけで転職。
なんと、今は児童ディで3年近く経ち、その仕事にハマっているそうです。
えええ、むちゃくちゃコミュニケーションスキル必要じゃないんですか!

 すぷりんとさんは、お仕事のほかに、自己分析を狙いとするボードゲームを主催しています。
会場でも、参加者に合わせてリフレーミングのボードゲームをやってもらいましたが、
盛り上がりますし、メンバーさんの意外な視点も知って、学びにもなりました。
皆さんも、年齢は気にしないで、参加してみてください。
すぷりんとさんのボードゲームには、子ども連れの親子もこられるらしいですよ。

●6月6日 ―ASDの脳機能の特徴とASDの子のSST実践報告―

 ☆安原昭博ドクターのASDの脳のお話

 医療的な内容なので、まとめるのは控えておきます。ただ、自閉がある方の脳の過成長は、
早期のシナプスの「刈り込み」という脳の機能の最適化が十分に行われない事が一因として考えられるらしいです。
これは、生きてゆく上で、環境の変化に柔軟に適応してゆくのを困難にしているそうです。
一方、ADHDは脳の特に前頭葉の発達が遅れるために、ストレス耐性の低さや過敏さが起こりやすいそうです。
よくドクターは、「青年期から急速に前頭葉は発達するから、それまで待ってやって」と事あるごとに言っておられましたね。

ADHDは、気になったらやめられない
ASDは、やり出したらやめられない

と、どこかで見ましたが、この二つが一緒になったらどうなる?
子育てが難しいのは当たり前ですね!
でも、だからこそ、想定外の成長も見せてくれる子が多いのも事実。まだまだ奥が深い発達凸凹人の世界を堪能あれ!

 ☆荒牧要右先生のソーシャルスキルのお話

 安原こどもクリニックのYCCでは、現在、香里園、大和田、門真と三ヶ所で事業運営されています。
集団,個別と柔軟に組み合わせているようです。年齢の高い子も利用できるように変えていっています。
荒牧先生は、独自でたくさんの社会的なストーリーを作っておられるそうで、
クラスで子どもたちに架空のお話で考えてもらっているそうです。
社会性の育成はASDの子にはとても時間がかかります。
発達課題である三山課題や心の理論の獲得が弱い子達ですから。

 個人的に思うのは、元々弱い部分を鍛えるというよりも、人と関わって楽しかったとか、
ここに来れば、受け入れられている,居心地が良いとか、人の役に立っていると思えるなどの笑顔になれたり、
幸せだと思えたり、できた!っていう成功体験の積み重ねが大事で、
+親以外の信頼できる大人との関わりが大事だと思います。
知識では知っていても運用できない事も多いですからね。

 お話を聞いていて、そんなこんなを考えました。
何より、ソーシャルスキルクラスの説明をされている荒牧先生が、
デスクワークしている時より生き生きされているのが印象的でした。

●4月25日 伊丹先生相談会

 会員限定で、ZOOMで行いました。詳細報告は割愛させていただきます。
うぇぶサポ



大阪ADHDを考える会 
のびのびキッズ