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2024年度定例会まとめ:代表宮本ゆみこ

●2月11日 伊丹先生相談会
割愛させていただきます。

●10月19日 「不登校について考える」  講師 荒牧要右氏

 院生の頃から、のびのびキッズの子どもたちとたくさん関わり
その後は、安原こどもクリニックのYCC教育研究所で、ずっと療育を通して
たくさんの子どもたちの支援に奔走してこられた荒牧要右先生に、
不登校についてのお話していただきました。

 前半は 不登校になる背景や学校での主な対応など、時代の影響なども交えて
客観的に分析され、後半は事例をいくつか紹介してくださり、支援するときのポイントについてお話しくださいました。
 事例はどれもとても難しいケースにもかかわらず、荒牧先生の粘り強い関わりが
実っていくストーリーを感慨深く知ることができました。
 
 お話を聴いて、つくづく思うのは、
@子どもとのラポールを築く
Aそのためには、今、その子が興味を持っていることを支援者が学び
 子どもとのコミュニケーションをとるキッカケにする
Bアセスメントをしっかりとって、関わっていく方針を定める
C学校に戻す事を唯一の目標とせず、柔軟な視点で子どもと関わる
 そして、子どものレジリエンス信じる!  事に尽きると思いました。

 また不登校から支援の成果で登校を再開しても、何か躓くとまた不登校になることも多いです。
でも、引きこもっていたけど、一度は外に出ていけた彼らには
家族以外の誰か一人とでも会えたことは、社会性の大きな第一歩である事には違いないわけです。
 
 子どもの社会性も行きつ戻りつ、成長してゆくのだと思います。不登校は、淀川のわんどだと例えた人がいました。
一般的なレールから外れても、人によっては、心も体もいったんは踏みとどまる必要があるということでしょう。
だからといって、ただ見守るだけでは難しく、個々の事情によっては家族以外のキーパーソンも必要になります。
子どもだけではなく、親御さんへの支援も大事になります。

 不登校に限らず、荒れたり、引きこもる青年期の子どもたちの理解や支援にも通じる内容でした。
 また、なかなか本音を吐き出せない子が多いです。でも、必ず何気に心の扉を開けて、つぶやくことが有ります。
そんなとき、
私たちは、問い詰めたり、理由を聞き出そうと焦るのではなく、
その小さなさざなみの声にしっかり向き合い、説得や修正をせずに
耳を傾けることが、大事なのだと常々思います。


●8月18日 「WISCX解釈講座 有資格者限定」 講師 伊丹昌一氏
割愛させていただきます。

●6月23日 「のびのびキッズ25周年記念シンポジウム」
          -25年間の成果と今後の課題-

@医療面   安原昭博氏 医療法人香博会 安原こどもクリニック院長
 ADHDの子の脳は三年半成長が遅れている
 小学校4年生なら1年生の脳で戦っているようなもの
 だから待ってほしい
 高校生になるとずいぶん落ち着いてきて大学生になる頃に衝動性は収まることが多い
 上手く育てるには、早期介入、適切な投薬、行動療法(ソーシャルスキルトレーニングやペアレントトレーニング)
 特にほめること、前頭葉の機能が良くなり、ドーパミンの量を増やすだけではなく、褒めた親や支援者のオキシトシンも増やす。
 脳は、暴力のシーンを観るだけで後頭葉、馬鹿にされ続けると側頭葉、
 暴力を受け続けると前頭葉、   
 が萎縮することがわかっている。
 脳波異常は、ADHD似はよく見られるが多くは中学生くらいで自然に消えることが多い。
 てんかん発作が併発している場合は治療が必要
 シオノギ製薬からゲームで集中力を鍛えるアプリが出ている。操縦しながらタスク処理をする。

A教育面    伊丹昌一氏   梅花女子大学心理学科教授
 特別支援教育とは、これまで支援の対象ではなかった発達症の子たちへの支援を促すもの。
 しかし、発達症の個別の支援や配慮は他の子どもたちにも有効な配慮や支援になることが多い
 教育の役割は、すべての子どもを幸せにすること
 100%ではなく100%の努力を!
 一等は一人だが、100%の努力は全員ができる
 一人一人の学びの違いに対応
 発達症の子どもたちが幸せに生きるためには、居心地の良い集団作りは欠かせない
 逸脱行動が起きたときにも、大人の肯定的な声かけ1つが集団の子どもたちのモデルとなる
 発達症のこどもの親だからこそ、知り得た発見やつながりに感謝
 こどもが幼い頃に抱えた不安の9割は当たらなかった

B学習面     笹野達哉氏 yccこどもクリニックもこもこ南教室管理者
 一人一人の学びの違いだけではなく、興味関心を活かしてモチベーションアップの指導
 対人関係も育む学習指導も工夫
 子どもの心に寄り添う支援とよく言われるが
 学習へのアプローチには健康的な心の発達が不可欠
 子どもの目線に共に歩み考えることが学習支援の質を高める
 こどもが生きる喜びを感じれば、支援者も幸せ
 そんな支援を今後も探りたい

C就労支援    稲葉みか氏 ONE VISION 代表
 発達症の親としてのびのびキッズで学ぶ
 講演会では知らないことばかりだったが
 発達症のこどもを育てるには、知っておかなければならないことばかりだと思った。知ることで、親子関係も変わっていった
 
 そんな中で必要な支援機関をつくていくきっかけになった
 学習支援や就労支援などを作っていくために、色々な想いを込めて
 Littlewing という会社を作る
 大学に行きたくて行けない子達には、
 学び直しや経験値を高められるyccカレッジ
 就労福祉支援B型のyccスタジオ
 就労事業の具体的な中味は
 お弁当配達  掃除  農業  カフェ  など
 就労継続支援では、介護資格の取得 など
 他にも学習支援やソーシャルスキルトレーニングや運動教室を運営
 
 やり直しができる世の中を作りたい

●4月21日 「子供には夢が必要」 
    講師 久田 亮平氏(NPO法人サンフェイス代表)

 サンフェイスさんの講演、最高でした!
「一時間で終わるよ」と前日呟いておられたのですが、
たっぷり二時間。
依頼した就労に関する内容に絞ったとのことでした。
就労の話は、親の会対象では初めてで、コロナ以降、講演は久しぶりだとのことで、
内容をまとめるのに悩まれたようですが、、、、、

 いえいえ、子育ての視点からも,はたまた危うい日本の未来までも考え直す機会となりました。
とにかく、面白い。
目から鱗がザクザク
とにかく、事業内容が多い!
いったい,どうやって回されているんだろう?と不思議
この人、転生者じゃないの?と思うほど。
では、印象的だったお話から感想をご紹介します。

☆マイナスだと思う特性は、見方を変えればプラス
 この視点から生み出されるヒット商品の数々もさることながら、モチベーションを上げて、人を生き生きと変えてゆくエピソードの数々

@大量生産や100均市場の陰で追いやられた日本の技術は、福祉作業所で蘇り、維持される可能性が見える

A便利、安い、早いが日本の伝統技術を葬るだけではなく、人を疲弊させる

B早いではなく、丁寧さに注目、時間がかかるけど、仕事が丁寧、
不器用なら治具に工夫を、作業を細分化担当すればできる。
これまでの常識を疑ってみる

C売れる商品にするには、システムを作ること(数々のヒット商品を紹介していただいても、
何故それが売れるのか、つつましく日々を暮らす真面目節約主婦には、やっぱり謎ですが。。。。)
そして、ダサいものにせず、障がい者が作ったからというお涙頂戴に甘えない!

まだまだいっぱいありましたが、
どんな時も、トリプルシンキングで物事みないといけないのだと思いました。
論理的に、
マイナスだと思うことは見方を変えてみる
常識を疑ってみる
そして、
「すべての子どもには夢が必要」というメッセージは、
支援者である我々への戒めである。
と最後に久田氏は話を締められました。

夢とは何か。
それはきっと、生きる意欲、モチベーションを高めること。
ワクワクしたり、ドキドキしたりできる瞬間を大事にしたい。
できないと決めつけず、経験値を増やす
今日も
カッコいい大人に会えた日に感謝です。