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2022年度定例会まとめ:代表宮本ゆみこ

●12月10日 強みを生かした学習指導 笹野達哉氏
 
沢山の資料!
予定の時間内に終えられないのでは?
という聴衆の期待を裏切り、笹野先生は軽やかに進めて見事、一時間半ぴったりにまとめられました!

ギガスクール構想で、みんなにタブレットを渡してくれた昨今。でも、大事なのは、その子に応じて、ICTを使いこなすこと。

笹野先生は、お子さんのアセスメントをしっかりされて、子どもができるできないの能力に関わりなく、時々の子どもの心のありようや意欲に応じて、指導を本当に工夫されている。常識や、それまでのやり方に縛られず、押しつけず、その子を知ることからスタートして、 何をどのようにアプローチすれば、その子のやる気を引き出せるかを探っておられる。

その線上に、デジタル活用がある。タブレットを全員に渡して、何が何でもデジタルで全ての子が学ぶ必要はないのだ。
このことは、以前にも高松崇先生は早い段階で警告をされていた。

さて、療育と名のつく場所での学習指導とは、学力を上げることが目的ではない。
笹野先生も、塾とは違うと言う。
認知に凸凹が大きかったり、知的水準が低い場合、弱さを鍛える発想と同時に、いや、それ以上に、引き算的発想が、大事だと思う。
全てを身につけなくてよいのだから。

そして、その目的は、子どもに成功体験を通して、学ぶ喜びや、単純に知的好奇心を高めることじゃなかろうか。
できた、わかった!もっとやりたい!
そんな瞬間を沢山経験する子は、自分らしく生きる事に前向きになるはず。
それを支えるのが親であり、多くの支援者の役割なんだと思う。
大人だって、同じだと思う。できることを増やす事に支援者がこだわればこだわるほど、子どもの自己肯定感が高まるとは思えない。

笹野先生、今日は本当にありがとうございました


●10月11日成人期の課題と支援

講座の内容はたった1時間ですが、中身はずっしり。情報量は多く、ポイント明確な内容、いつもながら
伊丹昌一先生の講座は無駄がない。

さて、成人期に獲得しておきたいスキルは
自己実現
伊丹先生の言葉を借りれば、
「自分の持てる力を精一杯発揮して,楽しく生きてゆくこと。」
楽しく生きているか?これは全ての人に言えることですね。

この自己実現を叶えるまでに獲得しておきたい力は
乳幼児期に「自己選択」
学童期の「自己決定」
思春期の「自己理解」
成人期は自己実現
特に、自己理解はかなり重要で、支援者が腹を据えて関わる必要があり、成人期も深めて行く必要がある。
我が子の特性理解をしっかり捉えて、どんな事が得意でどんな場面で困ったり、躓くのか支援者(特に親)が熟知しておく事、
しかし、決して決めつけたりしない。

アドバイスする時も、
「あんた、●●は苦手やからやめたらいい」などと子どもの意欲を下げるような言葉はかけず、「●●ならうまくいくかも」と肯定的に伝える。
質疑でも出ていたのですが、
子どもがやりたい事は、親から見ると「あんたには無理!」
とか、「あぶなかっしい!」と思う事が多い。
つい、思いや願いを思いとどまらせたいと親は焦る。
だが、ちょっと待て、と伊丹先生は言う
「自己決定を尊重する」
「子どもを信じよう」
その上で、子どもとこんな場合はどうする?と対応を練っておく、相談する、
そんな事が容易にできる親子関係を日頃から作っておく事が重要なんだろね、
簡単じゃないけど。

また、人によっては自己理解を深めるには、カウンセリングも重要
特に、ASD特性が強い方は、多面的な物事の捉え方が出来ず、思い込みに苦み、就労や社会生活を送るのが難しい人も多い。
そんな方には、物事の見方を変える認知行動療法が必要
( 認知行動療法を本当にちゃんとやってるカウンセラーは見つけにくいのだけど。。。。いないことはないはず、カウンセラーとの相性も大事なので,ご縁がつながれば良いのだけど)

成人支援の会もあるので、いろんな発達症の人の経験談が聞けたり、レクレーションやスキルアップ講座などに継続参加できる場も参考になると思う。
家から出られない人には、オンラインサロンなどは参加しやすかも。

個人の生まれつきの気質に働きかける支援以上に大事なのは環境の理解。
環境との相互作用は非常に重要、暴れる,言うことを聞かない、突然キレるなどで就労場所や施設を
追い出されるケースがあるが、環境の理解があると、
それまで問題だと言われ続けた荒れが収まる事例は多い。
荒れるにはそれなりの理由があるからで、
本人の特性からくる物事の受け止め方や
行動の文脈をよく観察することが大事かも。
きっとよくあるのが、支援者の声かけが人によって
否定的なメッセージを与えている場合が多いような気がして、そのことに支援者が気がつかないのも一因かも。

自分の意見も差し込み、ちょっとまとまりにくい報告になりました。
今回は30名近い会員さんが集まってくださり、当会の子どもたちは青年や成人が多く、ライフステージに応じた悩みが多いことを感じました。

コロナ騒ぎ以降、きな臭い世界の動きは、確実にこの日本に住む私達を追い込んでいると感じます。戦争だ、大不況だ、災害や食糧危機が来る、来る、とネットを見ると煽られます。

一時は缶詰やお米を買い込んだ事もありますが、なんだか馬鹿馬鹿しくなりました。お米も缶詰も消費期限が短い。お米は古くなると、ほんとまずい。
個人ができる食料備蓄なんてたかが知れてる。見えない未来の不安に怯えて、今を楽しめないのは損!

そうだ、全国旅行支援は今日から始動。旅に出よう
見えない事に不安を覚えて右往左往するのはASDの人だけではないです。
切り替え,切り替え!なんとかなるよ


●4月29日wisc5学習会の報告と感想
 
今年2月に大幅改定したばかりのwisc5の勉強会を伊丹先生のご好意でzoom開催し、とりあえず概略の説明を聞くことができました。
 
子どもの認知特性がより鮮明に測れるということですが、これまで以上に、検査者の観察力と実施の手際良さが求められて、さらに脳機能の知識と理解が必要だと思いました。

これは、今までのように現場で慣れればいいや,
と楽観的に思っていては的確な支援に結びつくレポートは書けないし、保護者にイメージしやすいようにいかに砕いて伝えられるかだし、今後も気を抜かず、勉強会を続けていかないといけないなあと思いました。

次回は、実際に検査器具を揃えて、検査実施の勉強会を開ける見通しもつけられそうです。実際に検査に携わる方には嬉しい機会になると思います。その次は解釈の勉強会と今年も学びの多い年になりそうです。
 
昨日は、お忙しい中、お時間を作って参加していただい皆様、そしてお忙しいスケジュールを調整して当会に時間を割いてくださった伊丹先生に多謝です。ありがとうございました


●4月24日 すぷりんとさん、「ボードゲーム」

今日は、2022年度の総会の後、すぷりんとさんにボードゲームをナビゲートしてもらいました。
グループを3つに分けて、それぞれ違う種類をしました。

ボードゲームには色々な種類がありますが、療育でも良く使われているようです。
記憶力を競うものや、相手に如何にわかりやすく伝えるか、あるいは、感情の認知を客観的に表現するものなど。いつもの聞くだけの講座ではなく、参加者同士が関われる取り組みで楽しめました。

すぷりんとさんは、月に一度のペースで、京橋でボードゲーム会を開いています。隠れ家風のお家で和やかに、一期一会を楽しむのは非日常的でありつつ、自分を見つめる機会にもなりそうです。

関心がある方はどうぞ,京橋へ!